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添乗員のアルバイトをしたきっかけ
私が初めてアルバイトをしたのが大学生のころ地元の新聞販売店での新聞配達でした。
朝刊と夕刊の配達が主で、朝は3時半~6時過ぎ、夕方は14時半から18時。
そして、学生の授業の合間で出来る時給の良いアルバイトとして長い間続けていました。
ところがある日、新聞の部数がだんだんと減ることになり、その販売店も廃業を余儀なくされたのです。
その際のオーナーさんが私のことをとても気に入ってくれ、「新聞会社が主催のバスツアーの添乗員をしてみないか」と言われたのがきっかけです。
日常会話程度の面接
東京都にオフィスをもつその新聞社を訪れたのが、大学卒業間際の4年生の夏の頃でした。
その時、新聞社の中にある旅行企画部で簡単な面接を行いました。
聞かれた内容としては、「旅行が好きなのか」とか「車酔いしないか」など、添乗員の業務に関連した質問ではありました。
しかし、誰でも答えられる日常会話のような質問の内容でした。
一通り面接が終わった後、「よし、明日のツアーの添乗員をやってくれないか」と言われてしまいました。
自分でも訳が分からないままとりあえず、新宿駅西口のバス乗り場に明朝7時に来てくれとだけ言われ、その日は終了しました。
添乗員って、こんなに簡単に出来るものなの?
明朝7時、言われた集合場所に行ってみると、すでに沢山の子ども達が集まっていました。
ツアーの内容は夏休みの時期ということで、「房総半島海遊びツアー」という今でもこの会社のヒット商品にも挙げられる内容でした。
主に小学生までの子どもと親での参加が多かった印象です。
最初でしたので私以外にもう一人、メインの添乗員が同乗していました。
しかし、その方曰く、「子どもたちと遊ぶのが添乗の仕事だ」と言われてしまいました。
実際、イメージするようなマイクを持った観光地の紹介やツアーの運営など特別な業務は必要ありませんでした。
いかに参加したお客様に楽しんで帰ってもらえるかが重要とのことです。
添乗員は仕事なので海遊びしない、というわけではありません。
逆に、子ども以上に楽しんで遊んでいる様子を見せて、積極的に参加者も楽しんでもらうことが重要だとのことです。
私はスーツと革靴のままでしたが、わざわざ海の家でサンダルとハーフパンツを借り一生懸命遊びました。
案の定、子どもたちも大はしゃぎで海遊びをしてくれ、帰りのバスの中では参加者も私も爆睡状態…。
まさに遊んで、寝て、それで給与がもらえる、とても簡単な添乗員の業務でした。
先輩の添乗員に関して
私のようにペアでなく、ピンで出来る独り立ちした先輩添乗員ではこうもいかないかもしれません。
一人で業務をするには資格が必要なので、それ相応の努力や責任感が必要になってきます。
実際に、先ほどの先輩添乗員からも、「事故や渋滞などバスツアーのトラブルは日常茶飯事」と言われたことがあります。
一方で、こういった独り立ちしている方はプライドが高く、あまり私のような初心者と一緒に仕事をしたくないのが共通の意見のようです。
こんなにもらっていいの?気になる待遇に関して
少し前にみなし残業の問題が社会化された頃…。
添乗員の給与に関してもいわゆる「日給制」(どんなに長い時間拘束されても給与は一緒)から「時給制」(時間が伸びれば伸びるほど給与が上がる)に変更になっています。
私も初めての給与は、週末で道路が渋滞して予定より2時間遅い最終解散だったこともあり、2時間分割り増しして給与をもらえることとなりました。
海で遊んで帰りのバスでは寝てしまったにも関わらず、時給1,600円×11時間分の給与がもらえたことになります。
別途往復の新宿までの交通費も出て、ツアー当日は昼食としてお客様と同じ弁当が食べれました。
まさに何の経費もかからず所定の給与がもらえたのはとても嬉しかったです。
「日帰り」と「泊り」の添乗員の違いについて
最後に、添乗員の将来性について書きます。
簡単な仕事ほど何か理由があると言いますが、あくまで私が体験したのは「日帰りの」添乗員であって、「泊りの」添乗員ではこうもいきません。
というのも、泊りのツアーはまだ日当制が当たり前なので、2日間以上のコースでもあまり給与面では割に合わないのです。
ただ、泊りでもおいしい話も合って、例えば高級ホテルに泊まるツアーではフカフカのベッドで寝れたり朝夕は豪華な食事にありつけたりなど。
給与面以外でのメリットは沢山あります。
趣味で旅行が好きだという方は多いと思いますが、それを仕事にするのでしたらぜひ、添乗員という職種をお勧めします。