【40代男性】システム開発会社に新卒入社したけど重労働に転職したら給料が増えた話【体験談・理由】

私はメーカー系の企業を親会社に持つSIerの企業に新卒で入社しました。相応には名の知れた企業であり、会社規模も大きかったため、顧客先から元請けとして仕事を受注する力を持っていました。

 

システム開発の上流工程から下流工程までを一通り経験出来ることや、顧客と直接折衝をすること、協力会社に発注してプロジェクトを引っ張っていくことなど、やりがいがあり過ぎる仕事の連続でした。しかし、2年目に顧客先に常駐するようになってから数年間仕事をしているうちに、労働環境の過酷さに思い悩むようになっていました。

 

良い顧客もいましたが、とりわけ大手の顧客は常駐する会社に対して特に厳しい眼を向けており、会社によっては土日の休日出勤を強要してくるようなところもありました。そんな状態に対して自社は従業員を守るような風土が無く、休暇取得や長時間労働抑制にも力を入れるわけでありませんでした

 

私は常態化する長時間労働や休日出勤を自らの理念でコントロールすることが出来ないような、労働環境に深刻なストレスを募らせ、転職を決断するに至りました。

 

 

転職後の文化の違い

前職を丸9年間勤めた後、ようやく私が転職することが出来たのが都内の某損保会社を親会社に持つシステム会社です。いわゆるユーザ系のシステム会社になります。忙しい状況で転職活動も難しかったのですが、先方からスカウトメールが来て面接の場に臨むことが出来ました。

 

私を採用してもらえたのは恐らくは前職で上流から下流工程まで一通りの経験をしていることと、コミュニケーション能力を買ってもらった結果だと推察しています。私の住居からも電車通勤で30分圏内のところに位置しており、これぞご縁だと思いました。この会社に入社して最初に感じたのが文化の違いです。前職では常に顧客先に常駐していましたから色々な顧客がいました。

 

また、自社の上司、先輩もたたき上げみたいな人が多くて、口は悪く厳しいが面倒見は良いという感じでした。ところが転職後は泥臭い仕事の仕方が好まれないのか、社員の人も良く言えば良識的、悪く言えばドライ、という感じでした。

 

思うことがあっても上司も同僚も本人に対して面と向かって言うことが少ないのです。それでいて、頭の回転が速い人が沢山居るという感じでした。職場の雰囲気も顧客先の緊張感というのでなく、目先の人間関係が大切といった感じで、むき出しのビジネスの場に居た私は戸惑いました

 

 

転職後に苦労したこと

 
私の最初の上司は正直、これまでの社会人生活の中でも相性が最悪でした。一言で言うと前職では全権を委任して全てのことを部下の責任でやらせるスタンスなのに対し、その上司は保守的で、新入りの私にはやりがいの無い仕事を私に回し、親会社や自社の打合せにも帯同をさせず情報も共有してくれないというタイプでした。その頃を振り返ると、必ずしも上司が嫌がらせをしていたというよりも、文化としてごく自然に振る舞っていただけだと思います。

 

それなのに転職後の風土を理解も出来ず、大した戦力にもなれないのに、私は勝手にそう思い込み、謙虚さとは程遠い態度を取ってしまいました。当然、そんな私は煙たがられ、孤立を深めることになりました。そして損害保険の業務知識が乏しいことには苦戦しました。明らかに周囲の理解や知識についていけませんでした。

 

 

転職後に改善されたこと

転職により上手くいかないことばかりを記述しましたが、改善されたことが多々あります。何よりも肝心なことですが、私が転職の動機として最も大切に考えていた「自身の裁量でバランスよく働く」ということがある程度実現できるようになりました。

 

ホームグラウンドを持って社員が固まって仕事できること、営業を必要とせず、親会社のシステム開発に専念できることなどから、選択と集中が出来て生産性も高いものを出せたからです。そのため、労働時間と休暇取得に対する余裕が生じるようになり、年間の総労働時間が減りました。また企業風土としても早帰りと休暇取得を奨励している側面があり、私はこの点に感動しました。

 

給与待遇としては前職に留まり続けていたら前職の方が少し高かったと思います。しかし、転職後の今でも業界水準よりは少し高めの給与待遇であり、何よりも総労働時間が下がったので時間単価は前職よりも高まったと思います。総合的に給料は上がったことになりますね。

 

 

前職の経験で転職後も生かせたこと

私は今の会社で一定の評価を得られて、自分の持ち味を発揮できるようになったのは5年以上経ってからです。私の元々の強みや顧客折衝能力や協力会社のコントロールといった点だったのですが、文化や風土に慣れてくること、人間関係の築き方に慣れたこと、業務知識やシステムの中身を幅広く慣れることができたことで、結局その強みを生かせるようになりました。

 

親会社のシステム部門の人は恐ろしく頭の切れる集団なのですが、結局は相手が何を求めているのか、どのように伝えれば簡単に納得してもらえるのか、相手の立場や気持ちに立ってリードする姿勢は間違いなく通用していますし、相手にも伝わっています。

 

 

今後の展望

前職で9年、現職でももうすぐ9年間になります。私も40歳を超えたこともありますが、今後も今の企業でずっと働き続けていきたいと考えています。私は幾ら高給を貰えても長時間労働で働き方の選択肢が得られないような企業は労働者にとって良い企業では無いと思います。

 

仕事は大切ですが、家族もプライベートも同様に大切であり、全てをバランスよくこなせてこそ、人生も充実するものだと考えています。転職は私の人生を変えました。自ら行動することで道はいかようにも良い方向へと切り開けるものだと実感しています

 

 




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