私はもともと看護師でした。しかし、問題が起きて、介護ホームに転職をせざる得なくなりました。
今回はその体験を元に、話していきたいと思います。
看護師が介護ホームで働く場合に注意するべき点もこの記事でわかるかと思います。
この記事の目次
年齢が高くなると好条件での転職は難しくなる
看護師というのは、接客業や販売員などの他の職業に比べると就職先も多く、転職には困らないといわれている看護職ですが、年齢が高くなると好条件の転職は正直難しいというかできなくなります。
世間で言われているほど、転職が簡単な業種ではありません。
私は長く務めた病院を退職し、クリニックに転職しましたが、クリニックは仕事も簡単で夜勤もなく負担も少ない一方、休日が少く勤務時間が長い割には給与が少なく、再び転職を考えることになりました。
しかし、体力的にも病院への転職は自信がなく、仕事量と給与のバランスを考え、老人ホームへの転職を決意しました。
老人ホームと病院とでは「看護師」の役割は大きく違う!
転職した老人ホームでは、慢性疾患に加え認知症を患う高齢者が多く入居されていました。
そこでの看護師の仕事は、毎日の健康状態の把握と入浴やレクレーションの実施が可能かどうかの判断、介護職と一緒に排泄や食事の介助も行い、また急な体調の変化や転倒、食事の誤嚥などのトラブルに対する対処です。
施設で生活されているのでおおむね体調は安定している方ばかりかと思いきや、かなり健康状態が不安定な方も多い状態で、医師もおらず、病院のように検査手段もない中で、体調の変化を見逃さないようにしなければならない大きな責任があります。
なぜか対立する介護職との協働
病院とは異なり、老人ホームでは多くの介護職と一緒に仕事をしなければなりません。
看護師が健康管理を行う専門職であれば、介護職は生活全般をその入居者に合った最適なものにする専門職であり、両者の協力は欠かせません。
しかし、ほとんどの老人ホームなどの介護施設では、「看護師」と「介護職員」は対立する関係にあり、協力しあわないがために、入居者やご家族が不利益を被る事態が結構あります。
看護師は、健康面での専門的な判断を行う仕事の性質上、介護職が行うケアの方法に指示をしたりすることがありますが、これを威圧的と捉えられることがあり、指示を無視されたり、必要な報告や連絡を看護師が受けられないことがあります。
また、転職間もない看護師は長く勤務している介護職に指示できないことという空気感もありました。
介護職の側は、排泄や移動のケアを看護師が手伝わない、という不満を抱いていますが、慢性的に人手が足りない老人ホームでは、看護師の求人募集の際に「介護は介護職が行います。」と謳っているところも多く、介護をしないつもりでその介護ホームに転職してくる看護師も大勢います。
明らかに、求人募集案内文と実態がマッチしていません。ここをどうにかしない限り、看護師と介護士は理解し合えない状況が続くでしょう。
そのため、これを読んで、看護師は看護師として病院やクリニックに転職できなくなっても、介護ホームに行けば安心などとは思わないことです!
看護師として、介護ホームに転職する場合には、遥かに人間関係が難しくなると覚悟してください。下手したら場所によってはいじめや無視などの状況が出てくることも全然あり得ると思います。
病気だけでなく「老い」を学ぶことができる職場が「介護」
老人ホームでは病院と比べて、「病気」の症状の変化や、検査や治療の経過に振り回されることなく、入居者さんの生活や生きてこられた過程に合わせた関わり合いができる場所です。
老人男性に例えば、認知症があっても、一人の人間として尊重し、その人らしく生活していけるようサポートする看護は、病院の看護とはまた違った人生経験となります。
おのずと自分の生活や人生を見直すきっかけにもなり、少し大げさかもしれませんが、人生観が豊かになる職場です。
言い換えれば、多くの人生パターンを間近で観ることができると言えるでしょう。ぜひ、このような状況を上手く利用できる人間になっていただきたいです。
老人ホームは即戦力が求められます。
私が転職した老人ホームは、経験5年以上の条件がありました。多くの老人ホームでは新卒や臨床経験のない看護師の採用は難しいようです。
病院に比べて教育システムが整っていないことや、一人で仕事をすることもあり、基本的な看護技術を身に着けた経験者が採用されます。
新卒の看護師を育てる余裕のある資金体力のある介護ホームはそうそうありません。転職してから学ぼうという甘い考えは捨ててください。その考えは絶対に介護士の方に反感をもたれる原因ともなります。
私自信は、病院やクリニックで20年の経験があることや「循環器科」「消化器科、」「呼吸器科」「整形外科」など、高齢者がかかりやすい多くの医療領域での経験があったことが介護ホームでも採用につながったと思っています。
この介護に関係ありそうな機関での職務経験がないと、採用されづらいかと思います。もちろん、私の働いている介護ホームでの話ではありますが、多くの介護ホームがこのような状況だと聞いています。
老人ホームは病院に比べると給与は安い
私は病院などの医療経験を加味し、給与が高めに設定されていましたが、病院の退職時と比べると平均5万円/月ほど給与は安くなりました。
ほとんど定時に終業するため、時間外手当などもつきませんでしたが、人事考課によりボーナスの加減や、昇給がある場合もあり、給与システムが整った施設ではありました。ブラックな仕事環境ではなかったです。
40代の転職には老人ホームも一つの選択
老人ホームも規模や業務形態など様々ですが、この職場は企業系の施設であり、給与や福利厚生なども整っており安心して働ける職場です。
40代での転職で、正社員としての就業を考える場合は、こうした体制のしっかりとしたところを選ぶことも失敗をしないコツかもしれません。
人間関係などは、どこの職場にいっても大なり小なりの問題はあるようですので、「好条件」なのだから、人間関係は難しくなるという割り切りが看護師が介護ホームで働く場合は絶対に必要だなと思いました。
この私の経験があなたの転職時の口コミや評判として参考になれればうれしいです。